乳房は主に乳腺と脂肪からできていて、この割合は個人によって異なります。 乳房内の乳腺と脂肪の割合を表す言葉を乳房構成といいます。 乳房構成はマンモグラフィの写真を目で見て判断されるもので、厳密に区別することが難しい場合もあります。 当院ではAI技術を利用した乳房構成の解析ソフトウェアを導入しており、読影者によるバラツキのない評価が可能となりました。 マンモグラフィでは、乳腺は白く脂肪は黒く写るため、乳腺が少なく黒っぽく写るほうから ①「脂肪性乳房」、②「乳腺散在乳房」、③「不均一高濃度乳房」、④「極めて高濃度乳房」の4つに分類されます ( 下図 )

このうち、乳腺の豊富な「極めて高濃度乳房」、「不均一高濃度乳房」の2つをあわせて「高濃度乳房」と呼びます。 年齢が若いほど高濃度乳房になりやすい (白っぽく写る)傾向にあります。 加齢に伴い乳腺は脂肪へと置き換わっていき、写真では黒っぽく変化していきます。
高濃度乳房(白っぽい乳房)は病気ではありません。 また、高濃度乳腺であるから乳がんになりやすいといったデータも日本にはありません。 そのため、高濃度乳房であったとしても一般的には追加で検査を受けるなどの特別な対応をとる必要はありません。 しかし、マンモグラフィでは乳房の病気は白く写ることが多いため、高濃度乳房の場合白い乳腺の陰に病気が隠れてしまい、がんが見つかりにくくなってしまうと考えられています。 当院では高濃度乳腺の方にも精度よく検査のできる3Dマンモグラフィ検査というオプション検査がありますので、追加をお勧めします。
高濃度乳房であるかどうかにかかわらず、どの乳房のタイプであっても、定期的に自身の乳房の変化を確認することや、 検診を定期的に受 診すること、症状があれば放置せずに病院を受診することが大切です。 自覚症状のない方でも、 乳がんのリスクが高いと考えられる人は、当院乳腺外科またはお近くの乳腺外科へご相談ください。